季節の味覚

最近用も無いのによく買い物に出かける。
牛乳を買ったり、ペーパータオルを買ったり、
それだけの用事で出かけようとは思わなかった長い冬は、
いつの間にか通り過ぎていったようだ。

ふらりと出かけては他の物も買い過ぎて、
重たい袋をぶら下げて帰ってきては、
肝心なものを忘れてまた出かける。

外に出かけるのが苦にならない。
気持ちのよい季節になってきた。

露天で「タラの芽」が売っていた。

日本で母と天麩羅を食べに行ったけど、
もう終わったんですよと言われ、食べ損ねたタラの芽。
やっぱり、天麩羅でしょ!

若い芽は天麩羅に、ちょっと育ちすぎたのは佃煮風に煮た。

あれ?タラ芽ってこんなに美味しかったっけ?
と思うほど美味しかった。
もう少し買えば良かった・・・。

こういうの次の日にまた売っているとは限らないから。
夕食のおかずにこれだけでは無理そうだったので、
息子用に、レンコンやごぼうや、ちくわの磯辺揚げを山ほど揚げて、
油でむせそうになった頃、
mixiの友人から電話が来て開発区に向かっているというので迎えに行く。

メールでやり取りしただけだけど
初対面だけど違和感無く、
年齢も、職業も、仕事の幅も、すべてかけ離れているのに、
何故か話が弾んでスタバで2時間。

歩いて開発区をぐるりと回って、ご飯を食べながら2時間。
話し込んでしまった。歳は30歳くらい下の若者だ。

なんだろうね、この感覚。
日本じゃあり得ない。なでか中国だと全く年齢、性別関係なしに付き合える。

9時に解散。

仕事や生き方に向かう気持ちが真っ直ぐな人は好きだ。
努力する事や真剣に取り組むという事を、ちょっと教えられた気がする。
異業種の、共感できる前向きの気持ちを持った人と話すのは、なかなか良いものだなぁ。

エールを送る分、自分にも「負けるか」とささやかな競争心が出てくる。
笑えるほど仕事の規模は違っても。

部屋に帰ると、冷めたタラ芽の天麩羅が残っていて、
「ふ~ん、タラ芽って、こんなに美味しかったっけ?」
つまみ食いしながら、再び思う。

明日佃煮用に買い込もう。
まだ、売っていたらだけど。